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2020年11月11日水曜日

【香椎浜歴史探訪】香椎海岸埋立1


                            2020.6.5撮影

まえがき

 私たちが住む香椎浜は、昭和58年に城浜団地北側の埋め立てによって誕生した街です。新しく作られた街です。今、現在も高層住宅が建ち、人々が増えています。この街に住んでいる皆さんは、移住者です。この街がどうして出来たか大勢の方が知りたがっており、私も知りたいです。

 そういった時期、香椎浜公民館で、高齢者教室 歴史講座「ふるさと香椎歴史展望」が開かれました。すかさず、講師で東区歴史ガイドボランティア連絡会『愛称:歩・歩・歩(さんぽ会)』の安部光征氏にご協力を得る事が出来、【香椎浜歴史探訪】のシリーズを掲載する事になりました。厚くお礼申し上げます。

《高齢者教室 歴史講座》

 ふるさと香椎歴史展望

     香椎浜地域の開発

    令和2年10月8日

    さんぽ会 安部 光征

   目   次

    はじめに

    神功皇后伝承
    香椎海岸埋立
    博多湾築港株式会社
    香椎宮末社「浜男神社」
    九州飛行機・香椎工場

 はじめに
『香椎』

 JR鹿児島本線と香椎線との乗換駅であるJR香椎駅のほか、西鉄貝塚線の西鉄香椎駅、福岡都市高速1号線北側の香椎出入口などを擁し、福岡市東部の要衝でもある。古くから街並みを遺す香椎の区画整理事業は進んでいる。歴史は古く、仲哀(ちゅうあい)天皇神功(じんぐう)皇后と縁の深い「香椎宮」がこの地に存在することで古史には「カシヒ」の記述が見られる。さらに『筑前国続風土記』には「香椎」の名前の由来とされる説話が記載されている。

●1889(明治22)年4月1日 市町村制度施行

    香椎村、浜男村、唐原村、下原村が合併して「糟屋郡香椎村」
●1943(昭和18)年には町制施行 「糟屋郡香椎町
●1955(昭和30)年2月1日 福岡市に編入 糟屋郡多々良町・香椎町

 この間、明治以降の海岸の新設や国鉄・鹿児島本線や私鉄・博多湾鉄道(現在の香椎線)の開通によって交通の要衝として発展を成し遂げる。

 新国道2号線(現在の3号)が新設されるとともに、海岸埋立地(香椎浜地域)昭和25年頃の拡張も進行した。 

 神功皇后伝承

 仲哀天皇神功皇后は、九州の豪族征圧に向け、瀬戸内海を航行して九州に入る。

 2人の説話は瀬戸内海から九州にかけて数多く、神社や地名の起源にもなっている。
 当時、大和朝廷が抱える難題は熊襲(くまそ)羽白熊鷲(はじろくまわし)などの征圧があった。
 反抗する九州の豪族征圧に向かう仲哀天皇の行動は、国内の政治的な争いでもあった。

 かたや神功皇后は神託を信じ、新羅からの侵攻を未然に防ぐ新羅遠征こそ最優先と主張し、夫と妻の見解は相違したという。
 国内征圧を優先したい仲哀天皇と新羅遠征に固執する神功皇后の主張。
 大和朝廷の大本営大軍は香椎に出陣するが、仲哀天皇が崩御する。

 香椎の地で仲哀天皇亡きあと神功皇后は、まず夫の遺志を継承し九州征圧を果たし、その後の自らの遺志で新羅遠征に向かった。
 新羅の勢力を怖れ、仲哀天皇の霊力でこれを防ぐため、神亀(じんき)2年(725)聖武天皇の勅令で創建したのが香椎宮(廟:びょう)である。
 また、朝廷が朝鮮半島に出兵するのに抵抗した築紫国造磐井の乱(527年)の話がある。

 香椎海岸埋立
●明治43年(1910)、第13回九州沖縄八県連合共進会が開催。(天神の中心一帯・福博市電・箱崎水族館・福岡市公会堂)

 渡辺與八郎博多湾築港の開発、将来の大計画の一部としてJR香椎駅、西の香椎潟浜男海岸の埋立計画を立て香椎浜埋築(まいちく)会社の設立に取り掛かります。(渡辺與八郎:にしてつWebミュージアム☜詳細はここをクリック

●明治44年(1911)10月、与八郎の急死により野村久一郎氏らが事業を継承しました。

●大正元年(1912)12月、香椎西の浜男海岸の内3万3千7百余坪は香椎海面埋築会社により埋立てられた。その後を博多湾鉄道汽船の社長を務めた太田清蔵(四代目)が引き継いで開発を進めました。

地図で見る埋立の変遷



 博多湾築港株式会社

●博多湾は水深2~3mしかなく、視察した伊藤博文枢密員議長が「タライのようにかわいらしいのう」と苦笑いした。

●大正3年に要請を受けた杉山茂丸氏は市井の有志に呼びかけた。
●海運業で一大財をなした中村精七郎が私財300万円を投じ、株式会社組織で事業に当たる。
●大正4年(1915)に許可命令を受け、翌5年に博多湾築港株式会社が設立された。

築港計画平面図

 みなと100年公園

●博多港の開発100周年を記念して平成11年(1999)7月開園。
●箱崎ふ頭と香椎浜パークポートを結ぶ臨海公園
●港が見える丘・ピクニック広場・岩山広場・芝生広場・多目的広場有する。

目次 「香椎宮末社:浜男神社」からは、【香椎浜歴史探訪】香椎浜海岸埋立2へ続く